忍者
□最も価値があるモノ〜アイドル、誕生〜
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だから、ナルトは誕生日の意味を知らないんだ。
そう重々しく語り、カカシは黙り込んでしまった。
重たい空気が三人を襲う。
と、そこへナルトが帰ってきた。
「ただいまーってばよ! て…なんだってば? この空気…」
あまりにも重い空気にさすがに察したのか。
ナルトは訝しげに三人を見やった。
ナルトの軽快な口調のおかげで緩和されたほうだが、それでも重い。
「ん〜…ちょっと待っている間に愛憎劇の話をしていたんだよね」
「なるほど〜。それなら重くなるってば」
意味の分からない誤魔化し方に何故か納得するナルト。
ー少しは疑えよ…
信じてくれて助かったのだが、複雑な気持ちになった。
「さーて、明日は任務ないから、それぞれ修業するように。明後日はいつも通りに集合するから、じゃ解散!」
そう言い残し、カカシはさっさと帰ってしまった。
「なぁなぁ、サクラちゃん。今朝の続きなんだけど、なんで誕生日を祝うの?」
カカシが去った途端、チャンスを言わんばかりにそう訊いてきたナルトにサクラは何と言えば分からなかった。
「誕生日ってのは、生まれてきたことに感謝する日だ」