【天の邪鬼な僕(サスナルコ)】
伝えようとすると、言葉が途切れ途切れになって、結局いつもの天の邪鬼なオレになる。
「サスケの馬鹿! 大嫌い!」
本当は好きなのに、何故か悔しくて大声をあげてそれを否定する。
本当に悔しくて苦しいんだ。
だってコイツがオレを好きになるはずがない。
いつも喧嘩ばかりで、いつも大嫌いって言っているオレ。
それをコイツが「奇遇だな。オレも大嫌いだ、ドベ」って言い返す。
あろうことか「可愛くねえ」って言いやがる。可愛くなくて悪かったな、ちくしょうめ。
その度オレは走り去りながら、涙を堪える。惨めすぎる。
叶う可能性なんて、これっぽっちもない。
サスケが不機嫌そうに眉を顰める。
ほら。またお決まりの言葉を言うんだ。
「だがオレはお前が好きだ」
…………は?
今、なんて言った?
好き? いやいや、しかめっ面+不機嫌な顔をして、何言いやがるんだ、コイツ。オレの耳、悪くなった?
思わずサスケを凝視したら、分かってしまった。サスケの頬が赤くなっていることを。
……マジで?
こっちまで赤いのが移ってしまった。
どうしよう。なんて言おう。
どうかオレの口様。
こればかりはいつもの天の邪鬼を出さないでください。
オレは意を決して、口を開いた。
おわり
後はご想像にお任せします。