頂き物・リクエスト2

□たとえばひとつの…
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「お前の、たった3年間の尊い毎日の中に、少しでも俺の影を残せたらと思う。
教師なんて、卒業すれば忘れてしまうだろう。
それを、望まない自分に気付いたのは、もう、随分前だ。
お前が入学してくる、その前から、俺は……。
……年甲斐もなく、お前の姿を追い続けているよ、ナルト」

 



「君の柔らかな髪に触れるだけで嬉しかった。
身を震わすような甘い痛みを……喜びを、君は知っていた?
……壊してしまいそうで、抱き締めるなんてできないよ。
こんなにも、君を抱きたいと思っているのに。
……僕は、臆病だ。
君の前では、経験なんて、役には立たない」


 


「俺はお前のライバルであり続けなければならなかった。
お前の興味を引く為に。
どれだけ金を積んでも、手に入れられないものがある。そしてそれは、厄介な事に俺が最も欲しがっている物なんだ。
どうやって手に入れれば良いのか分からない。
……こうして、お前を見続ける事しか、出来ない」





「手に入れようなんて思っていない、というのは嘘だ。
強引に奪って、お前の顔を曇らせたくはないというのもただの言い訳だ。
本当は、今、この瞬間にさえ、お前を欲しいと思っている。
ただ、その欲求があまりに生々しくて、表に出すのが面倒臭ぇだけだ」











   たとえばひとつの…




――――
2013.11.8.
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