頂き物・リクエスト2

□Toujours avec toi.
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「……せ、先生、どうしたんだってば……?」

夜分遅くの恋人の訪問に、オレはそう言うしか出来なかった。
カカシ先生。
傷だらけで。
今にも倒れそうで。

――ううん。

実際に……。

「先生? ……先生……っ?!」
「……横に……なりたい……」

ベッドへ運んで、身体を拭いた。

(ば、ばあちゃん、報告しなきゃ……)

そう思って、影分身を増やした瞬間、カカシ先生がオレの手を止めた。

「……綱手様には……知らせるな……」
「えっ、でも!!」
「……大丈夫……だか……」

そのまま、カカシ先生は意識を失った。



寝ているけれど、呼吸がはやい。
脈も。
多分、熱もある。
オレってば体温高いけれど、それよりもっと、高くて……。

(大丈夫なわけない……)

でも。
ばあちゃん、呼ぶなって、カカシ先生……。



看病の仕方なんて知らない。
分からないけれど、汗を拭いて、寒そうだったら暖めて。
それくらいしか出来なくて。
時々カカシ先生が目を覚ました時に水をやって……。



――長い、夜だと感じた。

何があったんだろうって。
考えている間に、いつの間にか、オレもつい、うとうとしていて……。



――朝。

まだ夢を見ているのか、本当に夜が明けたのか分からなかった。



はっと目を覚まして、カカシ先生を見る。
寝息が聞こえた。
オレってば、ずっとカカシ先生の手を握っていたんだ。
熱も、下がっている。

ほっと、安心しようとした、瞬間。
やっとオレは、その違和感に気付いた。

(……先生の手……)

はっと先生を見て。

オレってば、やっぱりまだ夢の中なのかって。
そう、思った。



「……カカシ……先生……?」



オレのベッド。
シャツに包まって。

「……ん……」

呼びかけて、目を開ける。

「……ああ……、……ナルト……」

オレを見て呟かれた声は小さく、そして、いくらか低かった。








――――
2008.7.11.
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