頂き物・リクエスト2
□Toujours avec toi.
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先生は、三日……ううん、二日で戻るって言った。
出発前になって。
オレも行くって言ったら、先生は、荷物を下ろして。
抱き締められた。
強く。
苦しいくらいに。
けれども、そうするカカシ先生の背は、もうオレと殆ど変わらなくなってて。
キス、された。
カカシ先生だって分かるけれども。
その、昔のカカシ先生の姿へと戻っていくその早さが。
それが、三日という期限の理由なの……?
だったら。
もし、三日が過ぎてしまったらどうなるんだってば……?
不意に襲ってきた身体の震えを宥めるように、カカシ先生は優しくオレの背を撫でた。
『……ずっと、お前を見てきたつもりでいたけれど……』
カカシ先生は笑った。
『こうして見ると、改めて、お前、俺には勿体ないくらいいい男だったんだな』
何で、カカシ先生がそんな事を言うのか。
オレにはやっぱり分からなくて。
カカシ先生の表情はとても優しくて。
でも。
どこか苦しそうで。
『俺は、お前にとって良い恋人だった?』
真っ直ぐに、正面から見つめられる瞳。
先生、オレと変わらないくらいの年にまで戻ってしまっている。
若い。
カカシ先生の昔って……、こんなだったんだ……。
(……キレイ……だってばよ、先生……)
色が白いと前から思っていた。
けれど。
その辺の女の人よりキレイな肌。
そして、どんな男の人よりも強い瞳。
そんな先生が。
何で。
恋人だった、て。
まるで昔の事みたいに。
終わってしまったみたいに言うんだってば……?
『……好き、好きだってばよ、先生……っ』
言うと、先生は一瞬目を見開いて。
それから、嬉しそうに笑った。
優しくオレをもう一回抱き締めて。
『……うん、知ってるよ……』
抱き締める先生の腕は。
胸は。
その背中は。
いつもより小さかったけれど。
これまでの、いつよりも熱かった。
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三日。
それが、こんなにも長いなんて知らなかった。
気にしたことも、無かった。
――なのに。
暮れていく街並みを、窓から見つめる。
二日で戻ると言った先生。
「……カカシ……先生……」
先生が再び出発してから。
もう、明日で一週間を迎える。
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2008.7.15.