ナルト・カカシ誕生日

□2015.ナルト誕生日
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*九喇嘛擬人化です。苦手な方は避けて下さい。


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「……で、ナルト、明日、お前どうするんだ?」
「どうもこうも……。まあ、カカシ先生、お祝いしてくれるって言うし」
「ふーん、良かったな。2人きりか?」
「……多分他の人達も。お祝いしてくれるって言ってたし……」
「人気者だな」
「嬉しいってばよ、素直に」
「その割には、落胆してるじゃねぇか」
「――勝手に人の気持ち読むなってばよ」
「仕方ないだろ。お前の中に居るんだからよ」
「……ま、そうだけど……」

深層心理の中、ナルトは九喇嘛と向かい合い座っている。
話題は、数日後に控えたナルトの誕生日だ。

「皆がはけた後、2人で過ごせばいいじゃねぇか」
「でもよぉ……」

悩む理由は、ひとつだけだ。
カカシがナルトの事をどう思っているか。
嫌悪の類いの感情を持たれていないだろうという事は分かる。
しかし、ナルトが求めているのは、そういった感情では無い。

(もっと……)

「いい加減、懸想してると伝えたらどうだ、カカシに」

どこか呆れたような九喇嘛の言葉に、思考を中断させられたナルトは顔をしかめる。

「……言うのは簡単だけどな、でも……」
「毎晩毎晩ここまで降りてきて、ウジウジと煮え切らない話を延々聞かされ続ける俺の身にもなってみろ」
「悪ぃとは思ってるけどよ、他に相談できる相手いねぇし……」

これまでは恋愛どころでは無かった。
無我夢中だった。
そして落ち着き、振り返れば、心残りが1つだけ。
ふとした時に、ずっと心に在った想いであったが、それを取り上げるには、周囲の状況が、そしてナルトの状況が、それに注目する事を許さなかった。
ずっと傍に在った人を、誰とも違った感情で見ていると。
気付いたのはもうだいぶ昔の事のように思われるが、その蓋をやっと開けたのは、最近の事だ。

「だいたい、毎日ここまで降りてきて、お前も疲れるだろうが、ナルト」
「別に、それは……大丈夫だけど……」

確かに長い間ここへ潜って居れば、身体的にも精神的にも疲れる。
それでも、聞いて欲しかった。
誰にも漏らせぬ想いを、ここで吐き出したかった。
九喇嘛は決して偽りは告げない。
損得勘定も持たない。
信用出来た。
懸想するカカシにさえ相談できない事も、九喇嘛にならば相談できる。
――といっても、カカシに相談できない事とは、カカシを好いているという事だけだったのだが。

(そもそも、九喇嘛に隠し事なんか出来ないけど……)

「――まあ、いいけどな」

にやりと九喇嘛が笑った。

「たまには俺が、外に出てやるよ」
「え?」

九喇嘛がそう告げた途端に、ナルトの意識が急速に現実へと引き戻される。

「何だ? ……え、え?」

目を開いたナルトは、目の前の光景に息を飲んだ。

「な……」
「……よぉ」
「えっ……え、と……?」

ここはナルトの部屋の筈だ。
そして、そこには誰も居ない筈だった。
先程までは。

「……あの……、どちら様……?」

ナルトの前方に、長い足を持て余すかのようにあぐらをかいた男性――青年が座っている。
年齢は、20代後半〜30代前半と言った所か。
赤茶〜オレンジがかったやや硬めに見える髪は、肩から背中付近までかかっている。
特筆すべきは、その容姿だ。
涼し気な目元、鼻梁は里の誰とも違った印象で、思わず目を奪われる。
薄く笑みを浮かべた唇は、ただそれだけで息を飲む色香がにじみ出ていた。
こんな男は知らない、とナルトが身構える。
男は息を吐き、どこか楽しそうに笑った。

「外に出てやると言っただろう?」
「え……」

どこからの外だ、と考え、ナルトは先程までの遣り取りを思い出す。

「……え、ええっ、九喇嘛……っ?」















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2015.10.12.

遅くなりましたが、ナルトお誕生日おめでとう。
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