浅葱

□2014.クリスマス
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2014.12.25.





辺りは賑やかな曲に、もう遅い時間だというのに、どこか浮ついた陽気さを振りまいていた。

仲間内でのクリスマス会が終わり、帰路へ着くナルトの横に、人影が降りる。

「今年はプレゼント、用意してなかったってばよ。何がいい?」

隣に降り立った相手をよく確認もしないまま、ナルトが微笑む。

「去年は……ああ、結局、クリスマスの時に任務入ったんだっけ」
「そう。レストランキャンセル。カカシ先生ってば、珍しく不機嫌が顔に出ていたって、ばあちゃんが笑ってた」
「……大人げなかったとは思うよ」

言って、2人で笑う。

空は漆黒の闇で、距離をとる街灯の間は何とか足元が見える程度だ。
街路樹すら、その気配を消しているかのようであった。
街通りから外れると、もう、辺りに人影は無い。
どちらからともなく、伸ばした指先が触れる。

「冷た……」
「お前もそう変わらないでしょ」
「うん」

指を絡めて、カカシはナルトの手ごとポケットへと突っ込んだ。

「うちに着く頃には、もう明日になるってばね」
「そうだね。あと5分」
「先生、明日は?」
「朝から綱手様に呼ばれているよ」
「俺、休み」
「ふーん……」
「あっ、いたっ痛た……」

ポケットの中で強く手を握られ、ナルトは笑いながら首を振る。
そのまま腕を引かれ、体勢を崩したナルトは、カカシに抱き留められた。

「……だったら、今日は少し無茶してもいいね」
「先生もさ、もう若くないんだからさ」

カカシの肩口に頭を乗せ、くすくすとナルトが笑う。

「そんな事言うのなら、しっかり分からせてあげないとね。恋人として満足させなきゃダメでしょ」
「ははっ、いつも満足してるってばよ」

空いた手で、ナルトはカカシを抱き締める。
しかし、そのナルトの身体がぶるりと震え、カカシは微笑んだ。

「泊まる?」
「うん」

再び、2人並んで歩き出す。

「あ……」

手をつないだまま、ナルトが顔を上げる。

「お、雪だね」
「あ、時間、変わる……」

腕時計を見たナルトに、カカシは顔を近づける。
その気配に、ナルトは笑みを浮かべて目を閉じた。

クリスマスが終わる。

けれども。

口付けは甘く、終わらない。



「風邪ひいちゃうね」
「先生、甘えていい?」
「うん、いいよ。何?」
「うん」

答えると、ナルトはカカシの首へと腕をまわし、しがみ付いた。

「ああ……お姫様抱っこ」
「へへっ」
「じゃあ、プレゼント、持って帰ろうかな」
「先生、オヤジ臭い……」
「ふふ」



白雪の舞い散る中、ナルトを抱えてカカシは地を蹴る。

キスを1つ落として。



睦言は家に着いてからにしよう。

2人だけで、囁き合おう。

去年も。

今年も。



――来年も。



ずっと、この先も。
















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2014.12.25.
 

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