藍
□I hurts
1ページ/46ページ
※ナルヒナ確定後からの、カカシ→ナルト(カカナル)です。病んだ話です。
「痛いんだ」
カカシは小さく微笑んだ。
それは痛みを訴えているのにひどく不自然で。
ナルトの眉間に皴が寄る。
「もう、何も感じないのに、ただ、ここだけが痛いんだ」
優しく微笑みながら、カカシはナルトを見つめる。
「俺なんて消えてしまっていい。そう思うのに、消える事が出来ないんだ」
絞り出すような声は、掠れ、カカシの言葉に連動するかのように、語尾は消え入るように小さかった。
「お前を見て、ここが、また、痛いんだ……」
張り付いた優しい微笑みに一瞬浮かんだ揺らめき。
それは哀しく、絶望にまみれたものだったが、ナルトが瞬きをする合間に、微笑みの中に再び隠されていった。
I hurts→
――――
2015.2.25.