キスシリーズ
□始まりの合図のキス
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場所は万事屋。ソファーに私と銀ちゃんはもたれ掛かりテレビを見ていた。
私はテレビのリモコンを手に取りオフにすると銀ちゃんの方を向いてソファーの上で(床は痛いから嫌だ)正座した。
「ねぇ、銀ちゃん。」
「ああ?んな改まってどうした?」
怪訝そうに私を見つめリモコンを手に取ろうとするもそうはさせるか!とスイッチを押す前に、
「私銀ちゃんのこと好き、かもしれないの!」
と叫んだら案の定銀ちゃんは驚いてリモコンを床に落とし、パチパチと瞬きをしながら私を見た。
「―…何?、‘かも’って」
とりあえず冷静になった銀ちゃんから出て来た言葉。それが私の問題点だ。
「銀ちゃんのこと見てたら胸がキュンってなったり、他の子と喋ってたらモヤモヤしたりするの。」
言うだけで顔が熱くなってきて俯いた。
「それ、確実に恋、だろ。」
「で、でもね!銀ちゃんだよ。変態だし、たまにかっこいいところもあるけど基本ぐーたらだし、死んだ魚の目してるし!」
思わず顔を上げるも恥ずかしさから銀ちゃんの顔を見ていられず再び俯いた私に、銀ちゃんは腕を引き
「―…詩杏、顔上げろ?」
と言った。
言われるがままに顔をあげると、銀ちゃんが、ちゅっ、と唇にキスを落とした。
「んっ!?」
いきなりのことに恥ずかしく慌てふためく私。けれど、それ以上に幸せな気持ちだった。
「―…嫌、だったか?」
私は首を横に振った。
「じゃあ銀ちゃんと付き合え!」
「…うん!」
そうして私はぎゅっとされて再び幸せな気持ちになるのだった。
《始まりの合図のキス》
「でも銀ちゃん‘かも’なんて言われて傷付いたからもう一回キスさせて?」
「やっぱり変態…。」
「恋したくなるお題」様より。