短編
□百面相なわんこ。
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12月31日。
今日は涼太のお家でお泊りデート。外で涼太と居ると、どうしても目立っちゃうしね。
テレビでカウントダウンが始まる。
3、2、1…
「詩杏っち―!」
「わっ!、」
0と共にソファーの上で隣に座っていた涼太が私に抱き着いて来る。
「今年もずっと一緒っス!」
にこにこと人懐っこい笑顔を向けて来る彼の頭を優しく撫でると嬉しそうに目を細めて来る。もう、わんこだ。とびきり大きくて、愛おしい。
「そんなの言わなくても当然でしょ?」
更ににやにやしだした彼はいくらモデルでもにやけすぎていてちょっと気持ち悪い。かと思えば「あ。」と真顔でいきなり言い出した。
「…?」
「今年だけじゃなくて、ずっとずっと一緒に居るっス!」
そう言って頬っぺたにちゅっ、とキスされた。
愛しい、愛しい、わん…じゃなくて彼氏です。
【百面相なわんこ。】