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□始まり
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「…え?リクオ様
何か言いました?」
夜道散歩にと夜のリクオ様と横に並んで歩く
昼の姿と違って夜のリクオ様は勇ましさを感じる
昼のリクオ様もそれはそれは素敵ですとも!!
「何も言ってねぇよ、氷麗」
言葉を返してくれるだけでも嬉しい
思わず笑みが零れる
「…!氷麗、下がってな」
はっと我に返ると辺りから鋭利の鋭い視線を感じる
「…いえっ私はリクオ様をお守りします!」
お互いに背を合わせ合い、しんと静まり返る辺りに耳と妖気を感じ取りながら氷の槍で出来た武器を使って敵と思われる場所を指す
「…!ダミー!?本物は…っ!?」
氷の槍の刺さった衣類を見つめ敵の罠に嵌った事に気が付きリクオ様の声が聞こえた時にはもうすでに終わっていた
「…っ!氷麗っ!!」
刀の何かを切った音が聞こえるとまるでスローモーションの様に流れる
天敵の妖怪がリクオ様の刀で斬られる姿を
「………ふぅ、コイツら俺達を狙っていた様だな」
呆気に取られていると気が付いた様に此方に視線を向ける
「……氷麗?」
「…あっ!いえ!!何でも無いです!
お怪我は無かったですか?」
もう私など必要無くなるのかと一瞬頭に与儀ってしまった
…いけない、いけない。
深呼吸をして気持ちを落ち着かせれば後ろから相手の肩に手を置いて帰る様に促す
「…取り敢えず今日は家に帰りましょ!」
「…?あぁ」
これからも守っていきましょうか、リクオ様を!
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