奇跡の生還者達

13.『決断@』
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13.『決断@』


進級試験の結果が発表された日から1週間と5日。

カオルにとって、人生を左右する最大の決断を迫られる日が刻一刻と近づいてきた。

しかし、今現在でもカオルはまだ答えを出しかねていた。

養成学校への編入を受諾するという事は、仲間達と居られる時間が残りあとわずかという事を意味する。

逆に編入を断るという事は、せっかく目の前に現れたチャンスを棒に振るう事を意味する。

養成学校では、どんな理由があろうと自主退学している人間は『厳しい訓練から逃げた者』というレッテルが貼られる。

そのペナルティを抱えて合格出来るほど養成学校は甘くない。

つまりこの推薦は、自主退学の経歴を持つカオルにとって願ってもないチャンスなのである。

それでも即決できないのは、カオルにとって仲間達と過ごす時間がそれと同等の価値を持つという思いがあるから。

答えの見えないジレンマに陥り、カオルは苦悩し続ける。


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