記念作品
□10000hitキリリク小説
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私の隣に立っているのは愛しい人。
私の前に立っているのは神父さん。
神父さんが隣の彼に誓いの言葉を投げ掛ける。
彼は静かに、しかし強い想いの込もった返事を返す。
神父さんは、今度は私に視線を向けた。
「汝は、健やかなる時も病める時も、喜びの時も悲しみの時も、富める時も貧しい時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、命ある限り真心を尽くす事を誓いますか?」
「誓います」
私は緊張気味に、しかし力強く答えた。
指輪の交換を終えると、彼は私の顔に掛かったベールを優しく捲り上げた。
私は頬を少し紅く染め、はにかんだ。
少し恥ずかしい気持ちもあるが、それ以上に幸せな気持ちで満たされていた。
そんな私の気持ちを汲み取ったのか、彼はふわりと優しく微笑んだ。
彼の顔がゆっくりと近づくのを確認し、私はそっと瞼(まぶた)を閉じた。
愛しい彼と交わした誓いの口付け。
それは共に人生を歩んで行く事を誓う証……
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『Sleeping Beauty』
おいしそうな香りに誘われる様に、私の意識は浮上した。
そこは先程までいたはずの教会ではなく、寝室のベッドの上。
「夢……?」
先程までの出来事が夢であった事を知り、私は肩をガクッと落とした。
幸せな夢であるほど、現実に引き戻された時のショックは大きい。
私は深いため息をついて、朝食の香りのする方へ向かって行った。
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