novel

□その唇と声で
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下半身に鈍い違和感を覚える。

途切れていた意識が徐々に引き戻され、重い瞼を億劫ながらに持ち上げた。




「んっ…、…」

「動いたらあかんで」

「……忍足?…って、お前何や…ッ痛!」




目を覚ました跡部が目にした光景は、羞恥を煽らんばかりの自分自身の格好と態勢だった。

生まれたばかりの姿で両足を広げられ、その間に身を置く忍足。

それだけならまだマシだろう。

朦朧としていた意識の中で感じた違和感は、忍足が跡部の後孔に指を入れていたことにより発生していた。

咄嗟に体を起き上がらそうとした瞬間、下半身に鈍痛が走り抜ける。

あまりの痛みに跡部の眉間に皺が刻まれた。




「っ、痛ぇ…」

「ちゃんと出さな苦しむんは自分やで」

「お前が……ッ…ナカで出し、たん…だろ…ぁ、くっ…」




一体誰のせいでこうなってしまったのか、その答えは1つしかない。

何度も絶頂に行き着いていたにも関わらず、忍足が跡部を解放しなかったせいだ。

苛立ちを抱くものの、鉛のように重たく動かない体が憎らしかった。




「ぅ、んン…」




ナカに挿れられた指はバラバラな動きを見せ、その度に声が漏れる。

無意識なだけに、その声は甘く艶を帯びていた。

 
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