novel
□全てが欲しい
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「あ、んぅ…」
一瞬とは言え、抜く途中でナカを擦られ小さく身じろいだ。
秘部からはタラリと精液だ垂れ流れる。
忍足は前触れもなく、片手の人差し指と中指を秘部へ挿し入れ処理を行っていく。
掻き出す度に跡部の弱い小さな声が洩れ、忍足は密かに理性を保つことに必死だった。
「よし、と。これ位でええやろ」
後孔へ挿れていた指を引き抜き、手早くベタついた身体も拭う。
「明日は学校休もな」
「……ああ」
眠気が襲っているらしく、跡部の瞼は今にも閉じそうだ。
忍足も再び身体を隣に横たえ、首下に腕を差し入れ胸元へ引き寄せる。
それから、額や頬、最終的には唇へ口付けを落としていく。
「眠いんやろ?我慢せんでええから、ゆっくり寝て構へんよ」
「おし…っ…侑士は?」
「俺も自分と一緒に寝るさかい。」
空いている片方の手を跡部の頭に滑らせ、優しい手付きで繰り返し撫で梳いた。
それが異様に心地良く、いつの間にか跡部から規則正しい寝息が聞こえ始める。
「ほんま、可愛い姫さんやなぁ」
今までに浮かべたことがない柔らかい笑みを浮かべているなど、この時は忍足自身も跡部も知りはしない。
安心して寝入っている跡部を眺めた後、後に続くよう忍足も夢の中に旅立った。
(おはようさん、景吾)
(っはよ…)
(うん。で、他には?)
(……侑士)
>>終わり