やはり鳳だ、と感心させられる。
言葉の詳細を話さなくても、話の通じる相手で助かった。
これを1から説明するのはとてもじゃないが出来ない。
「それで、跡部さん自身は?」
そう、一番気になる部分はそこだ。
何度聞いても、知らない、自分で調べろの一点張り。
知っている人間はいいだろうが、知らない人間は気になって仕方がない。
「前のタイプは忘れたけど、今はマニアっちゅうタイプらしいわ」
「マニア…ですか?あの跡部さんが?」
意外とばかりに、驚きで双眸を見開く。
そんなに驚くタイプなのだろうか?
疑問を抱く忍足に歩み寄り、耳元で小さく簡潔に説明を行った。
「─────」
「………」
どんなタイプかを漸く知った忍足といえば、聞いた内容に声を失う。
その後、ジワジワとした喜びが胸を占める。