novel

□恋愛タイプ
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(あの跡部が…?)

「愛されてますね、忍足さん」

「忍足、ちょっと付いて来い!」




固まる忍足に向かって、張りのある跡部の声が響く。

ハッと我に返る忍足と、跡部の不機嫌の理由が分かる鳳は笑みを浮かべた。




「あ、ああ、今そっち行くわ」

「長太郎、考えたんだけどよー」

「今行きます!それじゃあ、俺も宍戸さんの所へ戻ります。行ってらっしゃい」

「おおきに、鳳」




笑みを滲ませ鳳と別れれば、腕を組んで待つ跡部の方へ歩み寄った。

そしてそのまま人気のない場所へ誘導させられるなり、跡部は強引に忍足を引き寄せ唇を重ね合わせた。

噛みつくようなキスでいて、どこか優しさを感じる。




「……鳳と何話してやがった」




離れた口から紡がれた問い掛け。

隠す必要は皆無だと、先程聞いた内容について忍足は素直に答えた。




「マニアがどんなんか聞いてたんや」

「余計なこと教えやがって…」




忍足の言葉に跡部は眉間に皺を刻む。

マニアだと話したことは間違いだった、そう感じているように見える。

だが、忍足にとっては実に嬉しいこと。

 
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