novel

□You're mine.
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「侑士遅ぇー!」

「堪忍、堪忍。ちょお呼び出されとってん」

「次また遅れたら、罰として唐揚げ作ってもらうからな」

「そないな罰聞いたことないで」




ぶつぶつ文句を言う向日に、笑いながら歩み寄る忍足は普段と変わらない。

あの女と付き合うことにしたのか?

こんな風に過剰に気にして、らしくなく意識が散漫していたせいだ。




「わぁあああーッ!!」

「跡部避けろ!」

「部長危ない!」

「あん?何言っ…て……」




突然の叫び声が跡部に集中する。

その理由が分からず、訝しげな顔をしたのも束の間だった。

後頭部に向かって来る球に反応が遅れ、鈍い衝撃と共に目の前が真っ暗になっていく。

スローモーションのように傾く体。




――――…とべ…!



遠くから愛しい声が聞こえた…気がした。



* * * * * * * *




暗闇に落ちていた意識が浮上する。

うっすら瞼を持ち上げれば、見慣れた天井が目に映った。

 
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