【Pretty Love】過去ログ


「俺は、君が好きだ。気持ちが俺に向いてなくても愛してる。」

腕の中に捕らえられたあたしはその男を見上げる。
すると本気の瞳と目が合った。

「君を傷付けないで守る、なんて責任は持てないけど…君の傍にいたい。」
『俺といて傷付いても知らねぇぞ?でもそれでも良いんならここに居ろよ。』

紡がれた言葉はあの人の言葉と似た言葉。
壊れ物を扱うように優しく、それでいて想いを表すように強くあたしを抱く腕はあの人と違うけど心地よいと思った。


【Pretty Love】


前からyukihiroさんの事は気になっている。
だけどそれは本当にyukihiroさん自身が好きなのか?
確証が持てない。

「yukihiroさんは…似てる。」
「え?」
「似てます。」
「そうかな?」
「はい。」

そう、中身がよく似てて目が離せなかった。
私、yukihiroさんに残酷な事言ってる。
好きな女が自分を元彼と重ねてたなんて。

「…少しでも気にかけてくれてたなら似てて良かった。」

ごめんなさい、あなたにそんな事を言わせてしまった。

「あ、そうだ。曲の仕上がりを聞いて頂けますか?私、荷物片付けてくるんで。」

yukihiroさんの腕の中から逃げるように立ち去るが、腕を掴まれて逃げ場を失う。

「一つ聞かせて?君はまだhideさんを愛してる?」
「…私はあの人が大嫌いです。」

今のあたしはきっと泣きそうな顔。

「…あの人は優しすぎて残酷だから。」

私がまだ新人だった頃。
ある日、スタジオで出会って、たくさん話をしてもらって、気にかけてもらって…
気付いたら彼を愛していた。
付き合ってた時間は短いけど最後に言った。

『お前を嫌いな訳じゃないんだ』と。

彼が何故あたしと別れたのか。
その言葉に答えが詰まっていた。
彼はどこまでも優しかった。
恋愛しながら上を目指せるほど、この世界は甘くないから。
だけども、それは残酷な決断。
でも、おかげであたしはこの世界で今も生きている。

「私は私を捨てた男が嫌いです。だからyukihiroさんも嫌いです。」

あの人に似ているから…
その優しさが酷似しているから…










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