りくえすと。

□子猫陛下と腹黒閣下
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額をこつんと額に当てる。

それからゆっくり、口付けを交わす。

これがいつもの、始まりの合図。






こくん…

「ん…ふ…ふぅっ!?」
喉の奥を滑り落ちていった冷たさに、有利は思わず目を見開いた。
逃れようともがくが、抱えこまれた頭はびくともしない。
「…っ、は…」
酸欠になる寸前で解放された有利は、恋人であるウェラー卿コンラートをにらみつけた。
「…あんた、何飲ませたんだよ!?」
「何って…」
コンラッドは爽やかそのものの笑みで、さらりと言ってのける。

「媚薬ですよ。
かわいいユーリをもっとかわいくするためのね…」
どういう意味だよ!?という疑問は、コンラッドの唇によってかき消された。

「…っ…は…」

息苦しさに喘げば、薄く開いた唇から柔らかい舌が入り込んでくる。

口内を激しく蹂躙されると、有利はだんだんその感覚に酔っていく。

下肢にわずかに熱が集まる。

同時に頭の芯が痺れ、こちらにも熱が集まる。

………あたま?

「っ…コン…ラッド…」

「なんですユーリ?」

「頭…あつ…」

もはや尋常ではなくなってきた体温を涙目で訴えると、コンラッドの唇が僅かに歪んだ。
彼が少しだけ体を動かすと、その後ろにあった窓が見える。
夜の窓は鏡のように、覗き込む者の姿を忠実に映す。

って…

「ねこみみぃ!?ち、ちょっとコンラッド、おれ猫!猫耳生えてる!」

「そのとおりですね…」

名付け親は答えながら、薄いシャツの上から既に赤く染まった果実をつまむ。

「あ…ひゃんっ」

猫耳がぷるぷると震えた。

ボタンを一つずつ外され、直に果実に触れられ、こねられ、摘まれる。

右のそれは彼の左手で、左のそれは彼の口で。

「あふ…コンラ」

長い右手の指が口内に侵入してきた。

「あぁ、もぅ…ここも」
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