りくえすと。
□お世話します
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ど う し よ う。
頭に手をやって溜め息をつく。
コンラッドに一服盛られたせいで生えてきたこの猫耳(と猫舌と尻尾)は一晩経った今でも取れない。
黒いふさふさの尻尾をぱたぱたと動かしてみる。自分の意思に寸分違わず動く様が、なんとなく恨めしい。
そして極めつけには――
「コンラッド」
「はい何でしょう?」
…超いい笑顔が返ってきた。
「…おれいつになったらこの部屋から出られる訳?」
「少なくとも猫耳が取れるまでは駄目です。俺が貴方のそんなに煽情的な姿を他の誰かに見せるとでも?」
「思わないデス…」
変態獅子ことおれの彼氏サン(泣)ウェラー卿コンラートが扉の前に陣取っているのだ。
っつーか煽情的ってなんだよ煽情的って!!
「いいじゃないですか。身のまわりのお世話は俺がしますからvV」
!!!vVとかつけんな〜!!
その爽やかな笑顔だと妙にハマりすぎて嫌なんだよ(泣)
「そんなに潤んだ瞳で見ないでください。理性が保てなく…」
「!!っざけんなこの野郎!!」
身の危険を感じて布団を頭から被る。
「チッ…」
舌打ち!?今舌打ちしたよねあんた!?
「まぁ今日中には取れるでしょう。猫耳が取れたら直ぐに出してあげますよ」
不本意だけどね…
……呟いた声は聞かなかったことにする。
結局猫耳その他が取れたのは一週間後で。
その間の出来事は
思い出したくありません…
by有利
fin.
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