たんぺん。

□少しだけ、特別な日。
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あの日から、丁度一ヶ月が経った。
案の定、陛下は―ユーリはそのことを忘れているらしい。
銀色の獅子は、髪に隠れることなく涼やかな輝きを放っている。
その可愛らしい顔を見掛ける度に、らしくなく胸が高鳴る。今すぐキスしたい、いっそ襲ってしまいたいという衝動を、何度抑えたことか。
計画を、自分の手で壊すわけには行かない。
そんなわけで、俺はその日一日を耐え、夜までをなんとか平常心で過ごした。

俺たちがこういう関係になってから、ユーリは、夜、部屋の扉の鍵を開けていてくれる。
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