ショウセツーオリジ

□イモウト
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彼は一人だった。バスケの自主練で遅くなったのだろう。キャプテンを務める性格柄か、彼はけして努力を惜しまない。
「一緒に帰ろ!」
表情は影になって見えなかったが、広輝は右手の親指をぐいと立てた。
広輝と一緒に帰るのは久しぶりだ。小学生の頃は毎日のように一緒だったのに。
どうして?
…そう、彼女ができたから。広輝の隣は、…もう私の場所じゃない。
でも、今だけは…
ふ、と広輝の顔を見上げる。
こんなに近くで顔を見たのも久しぶりだ。
格好良くなったな。知ってたけど。
「ん?」
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