その他×陽子
□君に未曾有の花束を
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「はい、どうぞ」
束の間の休息をとろうと資料を閉じた時に
目の前に差し出されたのは一輪の花。
見れば桂桂が笑っている。
「ありがとう、綺麗だな」
「でしょう?じゃ、お仕事頑張ってね」
はい、と渡してそのままかけて行ってしまった。
どこに咲いていたのだろう。小さな蒼い野花。
風に吹かれてぴょこんと揺れる。
なんだか、桂桂に似てるな。
思ってくすり、と微笑むと鈴が入ってきた。
「可愛い花ね」
「桂桂から貰った」
そう、と笑う。
「じゃあこれは私から」
渡されたのは
淡い桃色の花。
「ありがとう。何だか今日はいい日だな」
嬉しそうに笑う姿に
休憩するなら外の空気吸ってきたら、
と声をかける。
「うん、そうする」
じゃ、お茶用意してくるわね。
と言って去っていく後ろ姿を見送って、中庭に向かった。