歪んだ空

□紅月
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低く暗い雲が空を覆っていた。


夏だというのに、寒い。

秋の実りは見込めないだろう。

冷夏のせいだけではない。耕す民がまずいないのだ。

妖魔から逃げるように里木へ行っても、そこは息絶えた者で溢れ返っていた。

里木が妖魔を避けようとも、

寒さからは救ってくれない。

飢えは凌げない。




慶国は一つの終わりを迎えようとしていた。





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