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■慶次主、刀剣乱舞の世界にトリップ
■名前変換なし
■刀剣男士の口調がおかしいかもしれない
大丈夫な方はどうぞ







「新種の刀!?」
「そうみたいだね」


やーやー皆さまこんにちは。前田慶次こと前田慶次だよ。気付いたら森の中に居て何処だよここ?松永さんー夢吉ーって森を彷徨っていたら武装した人達に見つけられて何故か連行され、立派な城の立派な部屋で此処の主だろう人の向かい側に何故か座ってる状態だ。正直野宿も覚悟してたから連れて行かれる先が例え牢屋かもしれないとはいえ雨風凌げて寝床っぽいものもあって質素でも食事が出るのなら、と軽い気持ちでついてきたんだが如何せん思っていた対応と違いすぎて呆けている。アホ面曝しているのは知ってるから突っ込まないでほしい。しかし如何なる時でも思考を止めないのは最早私の癖ともいえるだろう。現代に居た時なんかそれはもう適当に生きていたものだが、随分と戦国の世に染まったものだなんて思っていれば話は進んでいたようで、主(らしき人)は何やら刀帳と呼ばれたものを持ってそれを必死に捲りながら此方を見ていた。


「うーん…刀帳は更新されていないみたいだし、政府からの連絡もない。これは未発見の刀剣ってことで良いのかな…?こんのすけに聞いても新しい刀剣は実装されてないっていうし」
「ねえ、主。本人に聞いてみたら?」
「いや、ここにきて全然しゃべらないからねえ。刀剣によっては記憶があまりないものも居るようだし、辛い記憶を思い出させるきっかけになるかもしれない。それを聞きだすのは酷かなあ…なんて」
「でも俺たちでも分かんないし政府からの連絡もないんだったら、聞いてみるしかないと思うけどなぁ。しゃべらない=記憶がないってわけじゃないだろうし」
「それもそうか」


近くに控えた黒と赤を基調とした服を纏った少年と此処の主だろう人が何やら話している。というか会話からしてやっぱり主で合ってたのか。まあそこに座るのは此処の所有者しか居ないよなと思いながらも沈黙を貫く。ふと視線を感じて周囲に目をやると障子越しにこちらを覗き見ているもの達がいた。恐らく仲間だろう。随分と小さい子たちが多い…というかショタ?小学生いっぱい居るんですがそれは…。いや小学生というのがこの時代にはないだろうから違うんだろうけどさ。警戒というよりは興味津々といった様子でこちらを見ている少年達に力の抜けた笑みを浮かべてひらひら手をふるとふり返してくれたり背中に隠れたり、わーきゃー騒ごうとして口を塞がれたりしていた。どこの少年も元気があってよろしいね。その光景を見ていたのだろう此処の主が「あいつ等、またさぼって…」と呆れた視線を投げかけていたから心の中で合掌しておいた。これはお説教フラグか罰に仕事増やされるフラグだろう。頑張れ。


「すまなかったね、放置して。俺は此処の本丸の主――審神者の柊だ。良ければ名前を教えてくれるかい?」
「前田慶次だよ」
「良ければ刀の刀派と種類も教えてくれると助かるのだけれどね」
「刀かい?俺が持ってるのは超刀だ。刀派は分からないねえ。柄と鞘を組み合わせれば槍としても使えるけど、一応は刀だよ」
「刀と槍、両方を兼ね備えてるの!?」


主が驚くよりも先に傍にいる黒髪が驚いていた。そんなに反応するとこだろうか。別に普通だと思うんだけどな。世の中には人より大きい槍みたいなドリルで戦う戦国最強さんや球を操って戦う神輿に乗った御仁もいるし、鉄球で器用なんだか不器用なんだか戦う人もいる。ぶっちゃけると何でもアリな世界で育ってきたから何が起きても不思議じゃない。それに比べたら私の武器なんて可愛いものだ。重さが尋常じゃないけど。
何やらまた2人が喋りだしたのを傍目に考える。何故私のことを聞かなかったのだろう。私を連れ帰ったのは武器が目的かとも考えたが、それならばあの場で力ずくで奪えばよい話だ。連れ帰る理由がない。そもそも武器の刀派や種類なんて聞いて何になるのかさっぱり分からない。ここは戦国…なのだろうか。建物や景色は似通っているが、何かが違う気がする。それに少年達や黒髪の少年の容姿をどこかで見た気がするのだ。それもはるか遠い昔である生前に。うーん唸れ私の記憶力…なんてことを思いつつ頭を悩ませていると会話が終わったのであろう2人が私に向き合って、口を開いた。


「度々すまないね。君のことは後々政府に報告するとして、俺の本丸の刀たちを紹介しないとね。君の仲間になるんだから…まず、俺の近待から」
「俺は加州清光。主の初期刀だよ、分からないことがあったら聞いて。よろしく」
「あとあっちの短刀たちも…おいで」


主――柊が手招きすると部屋の向こうにいた少年達が雪崩れ込むようにして室内に入ってきた。ばたばたと音を立てて私の周りを囲う。きらきらと目を輝かせる少年達の可愛さプライスレス…じゃなくて。ちょっと待て、刀?いやいや私の聞き間違いかなーと思っていたら可愛い少年達の言葉で私の考えは脆くも崩れ去った。


「僕の名前は乱藤四郎!ねぇ、僕と乱れてみる?」
「ぼくは、今剣です!よしつねこうのまもりがたななんですよ!」
「ぼ、僕は…五虎退です…!し、しりぞけてません…」
「…小夜左文字」
「おれは愛染国俊!おれには愛染明王の加護がついてるんだぜ!」
「俺っちは薬研藤四郎。兄弟ともども、よろしく頼むぜ」


聞いたことある刀の名前がちらほらと耳に入る中で色とりどりの髪色を視界から逸らしつつ、先刻思い出そうとしたものへとたどり着いた私は小さくため息をついた。アッハイそうですかゲームつながりで刀使って時代も似たようなところに行ったりするからね、そうですね。分かりました成程分かりました刀剣乱舞ですか。生前ちょっとかじってそのままだったブラウザゲーですかそうですか。取りあえず


「乱れないけど、よろしくな…?」





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説明面倒だし怪我しなきゃ大丈夫だろって思ってそのまま刀剣として過ごす慶次主

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