BOOK

□無題。
1ページ/3ページ


「やぁ、皆本クン♪」

その男は、皆本の家、さらに言えばリビングのソファーに、まるで自分の家の如く寝転がってくつろいでいた。

銀髪オカッパに鋭い目。そして年齢に合わない学ラン。

察しのよい紳士淑女はもうおわかりだろう。

犯罪組織パンドラのボスにして、未来、普通人と超能力者の戦争をさせようと目論む、兵部京介である。


本来ならば、何故ここに兵部がいるのかとか、何故自分ちの如くくつろいでいるのかとか突っ込むべきなのだが、あいにく皆本にはそんな気力も体力も残っていなかった。
皆本の勤めるB.A.B.E.Lで、チルドレンの世話をし、いざ帰ろうとしたら、元同僚の女好き超能力者医師、賢木修二に飲み会に誘われ、何とか断って、今度こそ帰ろうとフロントを突っ切ろうとしたら受付チーム、ダブルフェイスに捕まった。
常盤奈津子、野分ほたる両名からのデートの誘いをやんわりと断り、なんとかフロントを出た。

駐車場にいき、車に乗り込み繁華街を走り、何だか喉が渇いたので自販機でお茶を買っていたら、質の悪い酔っ払いに絡まれた。
どうにかこうにか振り切って車に再度乗ろうとしたら、今度はいかにもなヤンキーにかつあげされそうになった。
そいつらは皆本がバベルの社員証を出したら何故かビビって逃げたが。






次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ