BOOK

□魔法mix
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ハリーを差し出せとホグワーツ生の脳内に響く。ゾッとするような、うすら寒い声。


女の子の悲鳴が飛び交う中、一人の女子生徒が叫んだ。

「早く行きなさいよポッター!!」

その叫びに同調するように、スリザリンの生徒が叫ぶ。どれも、ハリーを『あの人』に差し出そうとする内容。
マルフォイが、止めようと声を出し掛ける。だが、静かに制した誰かの腕で、止まった。



「…サワダ」
「ハリー」

静かな、なのに頭にストンと落ちてくる、声。
皆がツナの方を向いた。

「ツナヨシ…」
「大丈夫。オレが…オレ達が、ハリーを守るから」


ツナの言葉に、ハリーの周りにいた『ダンブルドア軍団』のメンバーが、ハリーを守るように囲む。



スネイプを撃退(?)し、黙っていたマクゴナガル教授が、こんなときでも空気を読まずに入ってきたフィルチに命じた。


「フィルチ先生、ミス・パーキンソンとそのお仲間を広間から出しなさい」
「はい…どこに連れていけばいいので?」
「地下牢でいいでしょう」



ぴしゃりと言い放ったマクゴナガルに、グリフィンドールの生徒が歓声をあげた。
逆に、パーキンソン以下お仲間は固まる。


「マルフォイ、どうする?」
「え?」
「これからたぶん…」


言い終わる前に、マクゴナガルが叫んだ。


「いいですか!!未成年は先生方に従い、避難しなさい!成人した者は、残って戦いたいというのであれば許可します!」


ツナはフッと笑った。


「ハリー、ちょいこっち。獄寺君たちも」


手招きをすると、みんな集まってきた。


「ハリーは、レイブンクローの髪飾り探しにいくんだろ?」
「うん…絶対に見つけなきゃいけないんだ」
「じゃあ、骸とクローム。付いていってくれる?」


骸は頷いたが、クロームが若干嫌そうな顔をした。


「ダメ?クローム」

クロームはツナの『お願い』には、てんで弱かった。こくりと頷く。


「骸様…ハリーの邪魔しないでくださいね」
「相も変わらず酷いですねクローム…」
「クローム…」



骸は、娘が反抗期になった父親の気持ちを体感したという。





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