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□3回目の中忍試験
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うずまきナルト16歳。木の葉隠れを救った英雄として、名が広まっている。
しかし、階級は未だに下忍。その理由は。


中忍試験本戦を明日に控えた日、ナルトの元にやたら長いマフラーを巻いた子供がきた。

「ナルトの兄ちゃん!頑張るんだぞコレ!」
「おう!」

前回の試験で見事中忍に昇格した木の葉丸が、拳を突き出す。それに自身の拳を当てるが、不意に木の葉丸が不安そうな表情になった。


「どうしたの木の葉丸君?」
「ナルト兄ちゃん」
「ん?なんだ木の葉丸」
「今度は反則負けしないでくれよ、コレ」

う、と言葉が詰まる。確かに前回は、説明聞いてなかったせいで反則負けになってしまった。


「今度こそは大丈夫よ木の葉丸くん!そんなに何回も失敗を繰り返すナルトさんじゃないわ!」
「そうそう!今日こそ大丈夫だって!」


にひひ、と笑うナルトだが、不安はなんとなく拭えない。


だがまあ、前に失敗したんだから学習してるだろうとそれ以上は何も言わなかったのだが・・・







翌日、本戦。
試験会場に行く途中、サクラといの、チョウジに会った。


試験頑張れーと和気藹々な雰囲気で歩いていたのだが、会場に入る直前、いきなり止まった。



ビシッ!と三人から指差され、若干怯む。



「いい?ナルト。これだけは覚えときなさい」
「お、おう」
「今回の説明でもテマリさんが言うと思うけど」
「「「仙術禁止!!」」」
「それ木の葉丸にも言われたってばよ…」


がくりと項垂れた。




その後、三人と別れたナルトは、今度は風影の衣装を纏った我愛羅と、顔に赤い線の入ったカンクロウに会う。挨拶もそこそこに、影用の席に向かおうとした我愛羅だった…が。




「ナルト」
思い出したように立ち止まった我愛羅に、?マークを頭に浮かべる。

「仙術禁止」
「お前まで忠告すんのかよ!?」


ナルトはがーーーっ!と不満そうに口を尖らせるが、残念ながら我愛羅は、ナルトの頭を全く信用していなかった。というか、人の話の聞かなさはダントツだと思う。



「お前は何度言っても足りないからな、テマリには公衆の面前でしっかり忠告してもらおう」
「そこまでしなくてもわかってるってばよ…」



じゃあな、とスタスタ歩く我愛羅を見送り、はあ、と溜息をつく。



「オレ、そんなに信用ないのか…」


正確には『信用がない』というより、『ちゃんとルールを聞け。そして守れ』と言われているだけだ。
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