BOOK

□スレツナ
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チャオっす。
俺の名はリボーン。
世界最強のヒットマンだ。
ヒットマンというからには、仕事はいつも夜中。
夜にターゲットを仕留めて、その後に一杯やるエスプレッソは美味い。

まぁ、とりあえずそれは置いといて、だ。
何故か俺は今・・・














ぶぉおおーーー・・・










海にいる。

何をしに来たかって?
それは俺を抱っこしているツナの持っている、細長い、先っちょに針を括り付けるブツを見ればわかることだ。


そう、釣りだ。
しかも堤防ではなく船。
なんで船なんだ。堤防でいいだろうが!


なんか最近、頭が痛くなる回数が増えた。あと胃もだ。

その原因は間違いなくツナだ。
俺は親父、つまり九代目からツナを立派なボスにするためにはるばるイタリアから来たはずだ。


俺の今の仕事はツナの教育。
ぶっちゃけツナに教育要らないと思った。
だってそうだろ?試しに俺が出した中学生卒業程度の全教科のテストをあっという間に終わらせて、ならばと高校の全教科テストを出したがそれもすぐに解きやがった。
ヤケクソになって、今度は大学卒業程度のテストを出した。ちょっとホッとした。
うん、良かった。
何問か間違いがある。
こうなったら大学の勉強教えてやろう。


さすがに大学は難しいだろーな、と期待を持ちながら教えてたら、あら不思議。一週間で終わっちゃった☆
もう、勉強の指導いらねーじゃん。
次は戦闘だな。
さすがに俺には勝てないはず。

そんな気持ちで戦闘に入った。
だが、そんな期待も虚しく、俺はあっという間に負けた。
つかぶっちゃけ一瞬だった。
あん時の悔しさは一生忘れない。




「あ、釣りポイント着いたよ」


・・・着いたのか。
んじゃ、俺は寝るとする。ナレーター、後頼む。


「あれ?リボーン寝ちゃった。」


綱吉は、いつの間にか敷かれていたタオルケットの上で寝ているリボーンを一瞥すると、釣りの準備を始めた。


「いっぱい釣れるといいですね、沢田さん!」

きっちり綱吉の右側を陣取っている獄寺が、にぱっと笑いながら綱吉を見た。その手はちゃんと釣り竿の準備をしている。

「俺も頑張るぜー、ツナ!新鮮な魚で寿司握ってやる!」

こちらは綱吉の左にいる山本。
もう準備は終わって、釣りをする体制に入っている。

「よし、やろうか」

綱吉のGOサインに、三人一斉に竿をしならせた。











〜〜〜〜〜〜〜
5分後。
綱吉の竿に当たりがきた。

「お?きたきた。」

魚の動きを読んで、シューとリールを巻き上げる。
ちょっとしてから魚が海面に顔を出したのを確認して、ヒュンっと竿を持ち上げた。

かかっていたのは、デカイ鯵だった。


「流石っすね沢田さん!」
「やっぱツナが一番早かったかー」

獄寺はやや興奮したように、山本はちょっとだけ悔しそうに。

言葉と態度は違えど褒めている二人に、綱吉はクスリと微笑んだ。












結局、この日釣った魚は綱吉13匹、獄寺6匹、山本10匹だった。

獄寺は、山本に負けたことでめちゃくちゃ悔しがっていたが、綱吉から魚を一匹貰ってコロリと上機嫌になった。
さらに獄寺を羨ましがった山本が、綱吉に「俺にもくれ」と言って、一匹貰った。



このあと、山本の家で寿司を食べ、それぞれの家路へ向かった。




END
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