BOOK

□スレツナ
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第三者視点です。


今数学の時間だ。
ぶっちゃけ物凄く眠い。
でも、数学教師は意地悪なので有名な先生なので、寝ることはできない。

そう・・・

俺達一般人には。


俺が眠気と格闘している時、後ろからスースーと寝息が聞こえた。
ちなみに俺の後ろは沢田だ。
だから寝ているのは沢田しかありえない。

まぁ予想通り、数学教師は沢田に目を留めて、黒板に問題を書き出した。

「沢田!そんなに俺の授業が暇なら、これを解いてみろ!」

うっわ、あれって大学入試問題じゃん!兄ちゃんの問題集で見たことある。

数学教師の声に、珍しく沢田は起きた。
ちなみに今日は獄寺は里帰り、山本は野球の遠征だ。普段は獄寺が食ってかかるが、今日いないのをいいことに、沢田に恥をかかせるつもりらしい。
てか、あの問題解いて称賛されるならまだしも、解けないからって恥はかかないと思う。


「・・・これ、○○大学の入試問題ですよね、家庭教師にやらされた問題集に載ってましたよ」

マジか。
つか中学生に大学入試問題やらせるとかどんな鬼畜家庭教師だ。


俺がツッコミを心の中で入れてる間にも、沢田は黒板にいってスラスラとチョークを走らせている。
つか全く意味わからん数式だ。


しばらくして解き終わったらしく、数学教師の方を向いた。
心なしか教師の顔が青くなっている。
まぁ、合ってるんだろうな、答。
だって沢田だもん。

「これでいいですよね、先生?」

にっこり笑って言う沢田に、教師は更に青くなった。

「ば、馬鹿な・・・これは○大入試問題だぞ!?中学生に解けるはずが・・・」
「状況把握能力低いですねぇ、先生。現にオレは解いたでしょう?」

いやしかし、何故合ってるんだ、有り得ない。と押し問答する教師に、沢田はやってらんない、といった表情で席に戻ってきた。

クラスの女子がぽやーんとしているのはまぁ、慣れた。
だって、なぁ?
こんだけ頭良くて顔良くて、運動神経良くて優しかったら、そりゃ惚れるだろ。
ちなみに俺は根っからのノーマルだから惚れません。・・・多分。


席に戻った沢田は、また寝はじめた。
教師はずっと一人問答していて、授業にならない。

しばらくして、チャイムが鳴った。

やっと我に返ったのか、そそくさと出ていく教師を見て、女子は沢田の回りに集まった。


「すごーい!沢田君、あんな難しい問題も解けちゃうの!?」
「全然わかんなかったよね!」
「うんうん!もう暗号にしか見えなかった!」

きゃあきゃあと騒ぐ女子を見て、沢田は苦笑した。
それすら絵になるから美形はいいよなぁ。

「はは・・・家庭教師のおかげで、とりあえず大学卒業程度までは履修してるよ」

またキャー!と歓声が上がった。

「凄すぎだよ沢田君!さっきの、○大の入試問題なんでしょ?ってことは、○大の卒業過程も履修してるの?」

「あはは・・・うんまぁ、結構上のレベルの大学まで、かな(ハーバードの問題も、ね)。それに、家庭教師が数学者だから」

なんか副音声が聞こえた気がしたが、気にしないことにした。

女子はまだきゃあきゃあしている。

結論。
沢田は大学卒業過程を履修しているらしい。





END
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