BOOK
□スレツナ
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体育館にて。
今現在、琥珀色の髪と目を持つ少年、沢田綱吉をめぐって、バトルが起きている。
遡るは10分前・・・
「今日はバスケやるぞー!7人一組でチーム作れー!」
体育教師のデカイ声に、B組の生徒はチームを作り出した。
あるものは友達同士、あるものは部活仲間。
それなりに上手くチーム編成は進んだが、あるチームで意見が上がった。
「ねぇ、沢田君と山本君か獄寺君、誰か誘わない?」
その台詞に、チームを組んでいた友達は空笑いを浮かべた。
「百合子、そんなこと出来ると思う?あの沢田君たちだよ?争奪戦が起き「「「沢田!いや山本か獄寺でもいい!こっちのチームきてくれ!」」」・・・早速起きた」
呆れた表情を浮かべる友人に、百合子、と呼ばれた女の子も苦笑する。
「でもまぁ・・・参加するか!」
「「「「「は?」」」」」
正気とは思えない百合子の一言に、チームメイトは絶句する。
そりゃあの中の誰かいたら大助かりだけど!やめとけ!と止めるチームメイトを余所に、百合子は争奪戦現場へ駆け込むのだった。
そして、冒頭に至る。
「沢田君!お願い、こっちのチームきて!」
「獄寺ぁ!頼むよ〜!」
「山本!お願いします!」
ぎゃあぎゃあと不毛な争いを繰り広げる中で、当の本人達はというと。
「・・・獄寺君、どうする?」
「沢田さんの好きにどうぞ。」
「俺も獄寺に同意。」
少し考えたあとで、綱吉は爆弾を投下した。
「もう俺達三人で良くない?チーム」
その声に、辺りはぴたりと静かになった。
そして。
「ああ、もうそれでいいっすね。てめえら、もうチーム決まったからどけ」
「よっしゃ!頑張るのな!」
結局争いは無駄なものとなり、生徒たちは固まっていた。
なんで。
いや何となくこうなるってわかってたけど。
むしろ99%こうなるってわかってたけど。
沢田たちを引き入れたかった・・・!
生徒たちの心境がシンクロした瞬間だった。
結局綱吉たちは他のチームを圧倒し、快勝。
てか綱吉に至ってはダンク決めた。
その瞬間、生徒から(主に女子から)悲鳴がこだました。
そしてその後、綱吉へのラブレターの数が急増したらしい。
END