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□2Aの受難
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「うお!?何あのドーム!?」



500メートルくらい向こうに、なんかオレンジ色?のドーム?らしきものが。


しかも、中透けてるし!?




・・・って


「あれ沢田!?」

いやいや、有り得ないっしょ。
なんかヤバそうな羽生えたやつといるし。
しかも頭から火・・・!?



・・・え?
なんで見えるのって?


それはですね・・・



「・・・よく見えるわー」
「あんた元々視力いいでしょ」



なぜか。
なぜか全員眼鏡。

あれ?里沙、眼鏡かけてなかったよね?
つか、私も使わなかったけど。










「うわ、何あいつ・・・」
「あれ明らか沢田だよね?ねぇ沢田だよね?」
「髪型と顔立ち見る限りね」
「でもあの火は何!?」
「しんないわよ、あたしが聞きたいわ」


「うわぁぁ、あの白髪!大人げねー・・・」
「つーか、あの女の子誰」
「うわ、踵落とし・・・痛そ」
「潰れた?」


「てか、何でこんな緊張感無いの・・・」



ワイワイと戦いっぽいのを観戦するみんな。
いや、私も何気に沢田君見てるけどさ。
でもやっぱり怖い。


・・・って、え?

あの女の子消えた?
そしてなんか沢田君の体からどんって・・・


根っこ!?白い人、根っこ出した!?
沢田君、なんか構えた!?






そしてぶつかったああぁーーーーッッ!!?





「うわっ」



こっちにまで風圧が来た。

咄嗟に頭を庇ったけど、すぐ止んだみたい。


・・・てか。





「ねぇ里沙、沢田君見た?」
「見た。頭から火出て飛んでた」



・・・幻じゃなかったんか。



それにしても・・・



「意外にかっこよかったねぇ」
「・・・誰が?」
「沢田君」
「あ、やっぱり」
「里沙も?」
「はいはーい、あたしもですー」
「沙織もかよ」



「てか、ここ危なくないの?」



ものすごく今更。








あのあと、すぐに家に帰れた。



親に言っても信じないだろーし、すぐに寝た。





んで次の日。





「おはよー」
「おはよ。雪菜も入る?」
「何に」
「沢田君ファンクラブ」


さらりと宣った我が友人に、即答。


「入る」











未来での戦いが終わって、久しぶりの登校。



「おはよ、山本」
「おーツナ!おーっ『沢田君おはよう!』 す・・・?」



山本、語尾が小さくなった。



てか何これ。



「沢田君心配でさ・・・」
「これあげる!」
「あ、あたしも胡麻クッキー作ったんだよ!沢田君にあげる!」



いやいや、なんですかこれ。
ちょ、待って。
後ろで京子ちゃんが睨んでるんですが。


「おーっす沢田!アレ見たよー」

・・・。

黒川。


「アレって・・・?」
「あの白い人とドームんなかでやり合ってたでしょ」





・・・・・・・・・。。




「黒川ちょお来い」
「何だよ?」
「ツナ君!私も!」
「・・・まぁいいか」




人気の少ない特別棟まで来て、黒川を問いただした。


そしたら腕を組んで一言。



「みんな見たよ?」








泣いていいですか。






END
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