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□3回目の中忍試験
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会場に入るまでに。
「お、ナルト!」
「キバ…」
「気をつけろよ?仙術ダメだかんな」
「それ3回目…」
「ナルト」
「イルカ先生!」
「前回みたいなミスはするなよ?仙術禁止だからな」
「イルカ先生まで!?」
「おおナルト君!」
「げ、エビス先生…」
「げ、とはなんです。わかってるとは思いますが…」
「仙人モード禁止!っつーんだろー?」
「ええ、まあ」
忠告、合計5回。
自分が情けなくなってきた。
本戦の開会式が始まり、出場する下忍が横並びになる。その中の金髪に、観客席がざわめいた。
「あれってうずまきナルトだよな…?」
「なんであんなバケモンが中忍試験に紛れてんだ?」
「まだ下忍らしーよ」
「マジかよ…」
「なんでも、前回の試験は(木の葉丸様と言い合いしてて)説明聞いてなくて、反則負けだったって友達から聞いたわよ?」
「じゃあ、反則さえなきゃ勝ってたんだよな」
「そりゃね…今度はちゃんと聞いてると思うけど」
「反則なけりゃ、あの中じゃ一番強えだろうしなー」
うんうん。と何を納得したのかよくわからないが頷く客に、隣にいた客が生暖かい視線を選手に向けた。
その先には、ダルそうに簡単な説明をするシカマルと、緊張の欠片もないナルト。そして、緊張マックス状態(ナルトに対して)な出場下忍。
なんか・・・同情せずにはいられない。
パッと電光版が映り、対戦相手をランダムで映す。
第一試合は…
「いきなりまたオレ!?」
「…ッ(怖い逃げたい逃げたいいいいい…)」
いきなりナルトと風の下忍の試合。
風の子、可哀相すぎる。
苦笑いしているうちに、試合開始。
『いいかうずまきナルト!仙人モードは禁止だぞ!』
「ナルトー、ちゃんと注意しろよー」
仕切り係と審判が再度注意する。ナルトは若干うなだれた。
『んじゃ、試合開始ー』
最後にシカマルが欠伸しながら腕を振り上げた。
「・・・」
「・・・」
・・・あれ?
『おーいナルトー?』
「・・・」
「・・・」
しーん。
・・・どうした一体。
選手二人に目を凝らして見てみると、
「うわぁ・・・」
うずまきナルトは下向いてショック受けたような顔。
風は攻撃仕掛けたいけどなんか戸惑ってる。
そんな感じ。