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□ツナが元から超モードだったら
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体育館に、大声が響いていた。
「沢田ー!パス!よし頼んだ!」
『沢田』と呼ばれた生徒にパスが繋がったのを確認すると、ピッと親指を立てた。
綱吉は多少眠そうにしながら、スリーポイントラインの外から、いきなりシュートを打った。
綺麗な弧を描き、パシュッと音を立てゴールネットを通過するバスケットボール。
直後に鳴り響いた試合終了のホイッスルに、勝者側のチームが湧いた。
「沢田!すっげーキレーなシュートだったぜ!」
「いやぁ、ツナがチームにいて良かったぜー」
興奮しながら肩を組んでくるチームメイトに、若干呆れたような顔をした。
「たかが体育のバスケで、そんなに嬉しいものなのか・・・?」
「あったり前だろー?勝負に勝ったら嬉しいのは万国共通!」
「そりゃ沢田はちっさい時から連戦連勝だからわかんないかもだけどさー」
未だ興奮覚めやらぬ生徒達に、担任が野次を飛ばした。
「おーい、さっさと片付けしねーと授業終わんねーぞー」
「あ、やべ」
「さっさとやっちまおーぜー」
そしてそのまま何事もなく1日を終えた綱吉は、家に入る直前になって危険信号を感じた。
「・・・ただいま」
玄関に入り靴を脱いでいると、母親である奈々がチラシを片手に玄関へと顔を出した。
「おかえりツッ君!ねえ見てみて、このチラシ!家庭教師ですって。お子様を次世代のニューリーダーに育てます、リボーン・・・きっと素敵な青年実業家よ!」
キャッキャとはしゃぐ奈々に、綱吉はいらない。と答えた。
「母さん、オレに家庭教師が必要だと?」
「まさか。ツッ君の頭の良さは母さんがよく理解してるもの」
「じゃあなんで・・・」
「好奇心?」
・・・。
「部屋行く」
ちょっと頭が痛くなった。