稲妻

□溜め息が
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練習の終わりに仲間と会話する。

別グループの輪の中のアイツを見つめていたら、ふと目があった。

最近アイツを自然と目で追うようになってしまった俺は恋をしているようだ。

無論、こんな感情は初めてで、どうしたら良いものなのかもわからない。
今はただただ、中途半端な関係で友達止まり。

「風丸ー」

「風丸ってば、ねぇ聞いてる?」

考え事してたでしょ、と笑って覗き込んでくる、コイツ確信犯だろ。

「……はぁ、」

「溜め息って幸せ逃げるらしいよ」

「悪い悪い、で、なんだ?」

「あのね、今度私のシューズ買いに一緒に出掛けて欲しいの」


「え?」

「他も当たったんだけどね、断られちゃって…お願い!」

片目を瞑って顔の前で手を合わせて、俺にお願いしてくる。

自分の体温が上がるのが分かった。これはチャンス…!

「…ああ!もちろん!」
俺の想い、届け…!

「…あれ、風丸なんかヘン」


溜め息が

増えてしまうくらい、

俺はアイツに

溺れている。

俺はアイツを、

溺れさせてみせる。

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