稲妻
□そんな奴が
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朝の通学路。
私は変わらない道を行く。いつものように何処からか湧き出てくる一之瀬も一緒に。
「おはよう、今日は何色?」
「おはよう、還れ土に」
「照れちゃって、可愛い」
「いや、ちょっ、触んなまじで」
こんな通学路にもう慣れてしまった私はなんなんだ。
……自分殴ろうか。
でも、
「俺明日アメリカ行くんだ」
「はぁ!?」
「寂しくて死んだりしないでね」
「土門も!?」
「なんで土門の心配するんだよ、俺の嫁」
「…嫁だったら置き去りにするかテメー」
「あはは☆」
翌朝私は着替えながら携帯を見た
「あ、メール」
「………なんだよ、バカ之瀬」
「本当だったの、」
「通学路………私1人かよ」
そんな奴が
とっても愛しく感じた。
……やっぱ自分殴ろうか。
今度応援行こうかな。
そしたら言ってやるんだ、
大好きだってな。