稲妻

□全て
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宿舎の一番奥が私の部屋。少し日当たりが悪くて、ちょっとだけ暗い。

だから私は豪炎寺の部屋に行く。


「ごーえんじー洗濯物掛けさせてー」


「…またか」


「文句言うなら私と部屋交換してよね」


「下着は勘弁だからな」


「分かってますようだ」


別に特別な理由は無いけど豪炎寺の部屋に洗濯物を掛けさせてもらっている。


「円堂の部屋でもいいじゃないか」


「汚いからやだ」


「じゃあ鬼道」


「怒るもん」


「風丸」


「可愛いからやだ」


「訳が分からん」


掛けながらする会話はいつもくだらない。


「1年だっていいだろ?」


「いやだ、なんか恥ずかしいし」

「豪炎寺の部屋が丁度いいの」


「意味がさっぱり」



全て

本当は君が好きで好きで仕方ないから。

全てが愛しくて堪らないから。

だから君の部屋なの。

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