稲妻
□メランコリー
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「ほらよっと」
「わっ何急に」
宙に浮いたと思ったら綱海に担がれてた。
「どっか行くの?」
「軽いなっメシ喰ってっか?」
「おいこら人の話を聞け」
ニシシとでも効果音をつけようか、笑う綱海と、綱海の太く丈夫そうな腕にしがみつく私。
2人に行く宛などない。
「つなぁーみぃー、離してぇー」
「離してたまるか」
「ぐえっ、苦しい苦しい」
「なんだぁ?今の声」
「キャー恥ずかしい、聞いてない事にしてぇ」
「わーったわーった、プハハ」
「笑うな馬鹿!」
「痛い痛い痛い髪引っ張るな、ハゲるわ」
「ハゲないわ、フサフサ!」
メランコリー
こんなくだらない行動も
私に溺れてしまえ
と迫っているようだ。
もう過去形かもしれないけど。