稲妻
□この世の果てまで
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「…監督っ」
「心配ない」
「怖いよ、怖いよ」
「大丈夫だ」
「ねぇどうするの」
「泣くな」
「……監督、監督」
「何だ」
「私達どうなっちゃうの…?」
「……分からない」
「……怖いよ、」
「何があっても私が君を守る、」
「監督っ」
「安心しろ」
私の濡れた頬を優しく不器用に、ゴツゴツした大きな手が包む。
そうして監督は言った。
「……2人で逃げよう」
「うんと遠い所へ」
「それと私はもう監督ではない」
その言葉に頷くのも精一杯だった私。
この世の果てまで
私と貴方は一緒にいる。
…何故、こうなってしまったの?
許されないと分かっているのに。