稲妻
□もっと、もっと。
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「なぁ…」
「なぁに」
「お、俺…」
「やっぱりいいや!なんでもねぇ!」
「は?あ、そう」
いつものようにニカッと笑う円堂を見て胸が締め付けられた。
何かあるなら話して欲しいし、何より円堂は1人で抱え込むタイプだし…、
心配なんだよなぁ。
「円堂、」
「何かあるなら、話してよ」
「い、いや…なんでもねぇって!」
「心配なの、」
「じゃあ、言うけど」
「なんか変な事を言うかもだけど、」
「その、俺最近変なんだ、」
「お前見てると苦しくなって、」
「……その、好きなんだ、お前が」
「なーんだ、そんなことか…ってえぇええぇ!?」
もっと、もっと。
私はずっと前からそう思ってたってのに。