稲妻
□もう一度言うよ?
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宿舎の誰も居なくなって真っ暗になった食堂。
そこには1つ下の立向居、と私。
そしてジリジリと立向居を壁に追いやる。
ドン、と立向居の背中が壁に付いたのを確かめると、
「勇気…」
「ゅっ…」
わざと勇気と呼ぶとビックリする立向居。
可愛らしい、なんて思う私はかなり歪んだ性格らしい。
「ねぇ」
「…なっ、なんですか」
「相手してくれない?」
「はっはいぃっ?!」
顔を紅く染めてビックリしている彼は勘違いしているようだ。
ま、わざと勘違いさせてるんだけどね。
そして、立向居を抱き寄せて耳元で囁く。
「あらあら、期待してるみたいね。」
「えっ!?あ、ち、違いますよ!!」
「…相手って、シュートの練習だよ、」
「クス…可愛い」
「今なんて…?」
もう一度言うよ?
これは罠…
貴方が意識してくれますように。