稲妻

□それ以上
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日曜日。行く宛もなくただただ歩く。

部活ないって、暇だな。

すると向かい側に一之瀬が歩いて来るのが見えた。


「一之瀬!」

「お、」


少しビックリした顔でこっちを見た彼はニヤリ、と気味悪く笑った。


「丁度いいや、暇でしょ?うちこない?」


親いないし。と意味ありげに笑う一之瀬。


「いーけど」

「んじゃ決定ー」


思っていた以上に一之瀬の家が広くて驚いた。

すっごい綺麗。


「上がって上がって、」

「おじゃましまぁーす!」

「ここ」

「広ーい」


案内されたのは一之瀬の部屋。何故鍵を閉めたのかは分からないけど…。

すると昼間なのにカーテンを閉めようとする一之瀬。

「なんでカーテン閉めるの?必要ないでしょ」

「いらないの?うちの窓はデカイのに、」

「い、意味分かんない、」
「恥ずかしい姿を近所に見られちゃうよ?」

「…はぁ!?ちょっ、何してっ、離せ離せ、馬鹿之瀬!!」

「無理無理、」


一之瀬の力はこいつが男だっつうことを思い知らせていた。


「まじ止めて、キモいって!」




それ以上、

一之瀬が近付いたら、

私が持たないから、

「……離れてよね」

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