稲妻

□三人四脚、
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河川敷でランニングを済ませた私達は土手に転がった。


「ふぅー…」

「っと」

「へいっ!」

「ブッ、重い一之瀬!!」

透き通るような空を仰ぐと、前髪を軽く揺らすそよ風がふいた。


「一之瀬、土門。」

「ん?」

「何だ?」

「ありがとう、えへへ」

「当たり前だよ♪」

「俺ら三人で一人だからなっ」

「…ふふふ」


ふとカバンの中身の香りをそよ風が運んだ。

そう言えば、


「チェリーパイ、焼いたんだった」

「やった」

「一之瀬、くれるなんて言ってないけどな」

「はい、」


チェリーの香りが私達を包みこんだ。

美味しそうにチェリーパイを頬張っている二人に何だか胸が締め付けられたような気がした。


「うまっ♪」

「本当、ありがとうな」

「いーえ♪ランニング、付き合ってくれたお礼だから♪」


三人四脚、

進め進め。

私達は1つ空の下、

ずっと一緒に

進め。

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