Short*Story

□心 *風介*
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神流「……」
いい天気だね。


この一言が言えない。
言いたい けど言えない。
話せなくなったのは中学1年生の頃。
好きな人に「お前のその声うぜぇ」そう言われ、ショックで話せなくなった。

メモ帳とペンをバックに入れ、靴を履く。
そして 慣れてない外を歩く。

たまには散歩もいいかもね。
そんな事を考えて居たら、うっかりペンを落としていた。
風介「落としたぞ?」
後ろを振り返ると、白銀の髪色の男の子がペンを持ち立っていた。
私はペンを受け取るが、男の子が喋った。
風介「礼はどうした?」
私はさっさとメモ帳を出し、文字を書く
<喋れないの>
そう書いたメモを男の子に見せると、驚いた顔をしていた。
風介「…そうだったのか…。済まないな…」
私はニコッと微笑む。
そしてまたペンを走らせる
<気にしてないよ。>
風介「…ありがとう」
男の子はニコッと笑った。
風介「…見ない顔だがここらへんの奴か?」
首を振り、再びペンを走らせる
<最近引っ越して来たばかりだよ>
そう書いたら男の子が成る程なと呟く。
風介「…そういえば名前がまだだったな。私は涼野風介だ。」
私はニコッと笑い、再びまた ペンを走らせる。
<私は神流。よろしくね、風介君>
と書いた。
風介「ああ…」
ニコッて笑う風介君がカッコイイな なんて思う。
風介「…神流」
急に真剣な顔で名前を言われ、私は首を傾げる。
風介「…どうやら私は君に一目惚れをしたようだ…」
……。
へ?
<今の本当?>
メモ帳にそう書く。
風介「ああ。」
風介君は頬を赤らめながら言う。
<でも私は喋れないよ?迷惑でしょう?>
メモ帳にそう書いてみせる。
風介「迷惑?何故?」
<私も風介君が好きだけど喋れないなんて迷惑だよ…>
そう書いたメモ帳を見せると、急に風介君が抱き寄せた。
風介「好きな奴に迷惑なんて思う奴が何処にいる。喋れ無くていい」







心が繋がってるならな…

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