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□プリーズ、キル・ミー
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攘夷浪士として、晋助の下に付いて数年。

国は…どんどん天人の文化に蝕まれていった。

それは、私たち浪士にとって耐えるに耐えられない事で。

国への恨みは一層強くなるばかりだった。

そんなある時、晋助は言った。

『真選組に潜入して来い』と。

それは、ただの『潜入捜査』では無い事ぐらい、まだ幼かった私にでも理解できる事だった。


攘夷のために命を賭ける。


そんなことは当たり前で。

恐ろしくなど無かった。

寧ろ、晋助に信頼されている感じがして、嬉しかった。





あれから数年が経ち…


そろそろ晋助が、ど派手な花火を打ち上げる頃だと思う。

だから楽しかったアノ日々ともお別れ。

本当の家族のように過ごしてきたアノ人達ともお別れ。

死ぬ事は恐ろしくなど無い。


ただ、ただ大切な人達に嫌われるのは、とても、とても怖い。


裏切るのは怖い。

失うのは怖い。


どちらを護るかなんて、決められない。

不本意だけど。


敵ダト思ッテイタ人達ハ

酷ク優シクテ…

私ハ

仲間ニナッテシマッタ


だから…

裏切る前に私を殺してください。

この手があなたたちの血で染まるくらいなら

死んだ方がマシ。


私は臆病者なんです。

だから…




プリーズ、キル・ミー

(死んだら裏切らないで済むでしょう?)



配布先⇒蒼灰十字

 

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