A bolt from the blue

□黙ってればいいのに
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とりあえずお昼ご飯にしようかな。
スパゲティを茹でよう。
確か、レトルトのクリームソースが
あったからあえればいいよね。
…面倒だから買うつもりだったけど、
今はこの子達家から出る方が面倒だもんね。

「よし、お昼ご飯作るからテレビでも観てて?
あ、クリームソースのパスタ大丈夫?」
「好きですよ。」
「別に食える」
「ん。あ、隣の部屋は絶対開けちゃダメだよ?」

バイト先の制服とかかけっぱなしだし、
元カレの荷物も片付いてないし。
「んー」
「はーい」

お鍋にお湯を沸かす。
二人前以上作るのなんて何ヶ月ぶりだろう?
あ、お昼食べたら買い物行かなきゃ。

「ねー、翔子さん。この人彼氏?」
「え、ちょなに見てんの?」
「写真立て」
「あ、それか。うん、昨日別れた元彼」

「失恋直後?俺が慰めてあげようか?」

何時の間にかヒロトくんは私の後ろに立っていて。

…腰に手を回して来た。
後ろから抱きしめるようにして、
さらに耳元で囁く。
「…元カレなんか忘れちゃうくらいにさ?」
「…腰を触るな!そして、囁くな!
お昼抜きにするよ?」

っていうか、今時の中学生は身長高いな!
まぁ、私も156しかないんだけど。
「えー」
「本当に中学生だよね?」
「もちろん。っていうか、
翔子さんウェスト細いね、ちゃんと食べてる?」
「余計なお世話だ!」

(ヒロトくん、黙ってればイケメンなのに)
(不動くん!翔子さんいい匂いだったよ)
(…お前、ほんと変態だな)

→あとがき
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