novel
□たまには一緒に
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別チームのこともあってなかなか会えない近藤さん。
今日から三日間久々に重なったオフで近藤さんが遊びに来てくれた。
遠いのにわざわざ…嬉しくて死にそうだ。
「あ、あの近藤さん。と、泊まっていくいくんですよね……?」
あ、やばい。言い方悪かったか…?
「そのつもりだけど。なに?ダメだった?」
「んなわけないでしょ。夕飯の材料なかったから買いに行こうかと思って。」
「おう。じゃあ俺も行くわ。」
「!?」
「何だよその顔はー。いいじゃんたまにしか会えないんだから…。」
拗ねたような近藤さん。くそ、可愛い…
近所のスーパーまで徒歩十五分。
元々人通りが少ないけど、平日のせいか、今日はまったく人がいない。
手、繋ぎたい…二人きりだし久々に会えたし……でも、許してくれるだろうか…?
「ん?どうした岩淵。」
「あ、いや…手、繋ぎたいなぁって…人いないし。」
「ああ。…ほら。」
笑顔で手を出してくれる近藤さん。
その手を握ると、ゆっくり握り返してくれた。
俺はスーパー近くで人が現れるまでの十数分、この幸せを思いっきり噛み締めた。
→あとがき