短編
□おさぼりAfter school
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「あれ、どこいくの?」
さっさと荷物をまとめて教室を出ようとすると、キミに呼び止められた。
昼間の会話から私の行動を察してるんだろう。
私は言葉は発さずに、イタズラな笑顔だけで答えてそのまま教室を出た。
さぼると決めてしまえば、こんなにも気持ちが軽くなるものか。
軽い足取りで、まっすぐに屋上への階段を上がっていく。
古い扉を開け放つと、爽やかな風。
少し寒いなと思って一つ身震い。
屋上を歩く。
「よい、しょー」
小さな段に腰掛けた。
柵に寄りかかって空を見上げてみれば、高い空に澄んだ空気を通してくっきりと見える雲が、ゆったりと流れていて。
「あぁ、あたし何やってるんだろ」
「ほんとにね」
「え…」
扉のほうを見てみれば、キミが立っていた。
「オレも部活さぼっちゃった」
やっぱりイタズラに笑うと、私の右隣に腰掛けた。
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