The last trump〜最後の薔薇〜
□00-プロローグ-
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大きな屋敷、いや城と言えばいいだろう。屋敷という言葉は似合わない、洋風の建物だ。
その城の一室にある大きな椅子に座った男。
片目を長い髪に隠されており、見える右目、その髪は漆黒を思い出させるような黒。
中性的な顔立ちは、『綺麗』という言葉が似合う。
その肌は、生気を感じられないほど色白だ。
そんな男は、目の前の大画面に映されるある試合を見ていた。
すると、口元がニヤリと歪んだ。
「シルク。」
「はい。」
どこから現れたか、それとも今までいたのか分からない真っ赤な髪と目をした男。
シルクと呼ばれたその男は、執事の格好をしており、座っている男に頭を下げた。
「最後の奴らはここに決めた。招待状を。」
「主の仰せのままに。」
シルクが再び姿を消すと、座っている男は画面を見つめた。
「さぁ、ゲームの始まりだ。」
笑った男は、前髪の隙間から見えた瞳を光らせた。
...